言語使用と社会社③
(3)言語・非言語行動(4)コミュニケーション学
 
11月の秋期養成講座の開講準備も進んでおります。また、たくさんのお問合せ、誠にありがとうございます。
授業見学や説明会は随時行っていますので、もっともっと沢山の方に来ていただければと思います。
 
さて、9月に入り、世の中があわただしくなっていますね。
先日あるテレビ番組のアンケート調査で『総理大臣になってほしい人は誰か』を発表していました。誰かというと
 
・小泉純一郎 元首相
・田中角栄  元首相
・ビートたけし コメディアン
 
でした。その理由はというと、①信念がある②話がわかりやすい③話がおもしろい というのが目立ったそうです。「話」という言葉が2回出てきているのがおもしろいですね。
「話」というのは人をひきつけるための大きな武器になるのですね。
 
さて、今回はその「話」にも関係している言語行動や非言語行動になりますが、
言語行動については、『語用論』というのに注目して説明しています。
『語用論・・・使った言葉の機能を分析する理論』です。語用論では言語行為を3つのレベルに分けています。
①発話行為 ②発話内行為 ③発話媒介行為 というものです。突然、このように書いてもチンプンカンプンです。
例えば。。。
 
場面:夏のある部屋
兄:あ、蚊がいる!
弟:(無言で新聞紙を丸め、蚊をぴしゃりと打ちのめす)
 
とした場合、兄は『蚊がいる』といいつつも、本心では『蚊を殺さないと!』と思い、その意を察した気の利く弟が何も言わずに近くにあった新聞を丸め、ぴしゃりと蚊をやっつけてしまった、というお話なのですが、ここに上記の3つの行為が含まれているわけであります。
「蚊がいる!」というのが、発話行為 、「殺さないと」と思ったことが「発話内行為」、「新聞を丸めてぴしゃり」が発話媒介行為と説明されるのです。
では、これはどういうことかと言うと、ここでは上記の兄弟はものの見事に連係プレーを見せましたが、どれか1つでもずれると、気まずい雰囲気になるわけです。
例えば
兄:あ、蚊がいる!(本音:殺さないと)
弟:あ、そう。
兄:気が利かないなあ。そこに新聞があるだろう。
とか。。。
 
この語用論を展開した一人にポール・グライスという人がいます。彼は会話の成立条件として『4つの公理』を発表しました。
 
1.量の公理…必要な情報量の提供
2.質の公理…信用性のある情報の提供
3.関連性の公理…会話の中の関連性のあるテーマ、情報の提供
4.様式の公理…はっきり相手に伝わる語尾。あいまいではない。
 
というものです。
もちろん、これですべての会話が成立するということではありませんが、知識として、皆さんの頭にあっても言いと思います。あの人との会話が成立しないのはなぜだろうと考えたときの解決策のひとつになるかもしれません。
また、気になる人と会話を成立させたいときにも応用が利くのではないでしょうか。
 
さて、現実にコミュニケーションが行われるときに動いているのは、口だけではありません。手、足、目、首、胴、指、のど、頬、眉など、体のいたるところが動いているかと思います。これらの動きが非言語行動と呼ばれ、コミュニケーションにおいて、とても重要な役割を果たしています。
先年話題になった『人は見た目が9割』という本がありましたが、この本のテーマも非言語コミュニケーションではなかったでしょうか。小泉元首相もこの非言語コミュニケーションを活用されていたかのように思います。